東海道の小坂井の追分から平坂湊(へいさかみなと)までを結んだ平坂(へいさか)街道は、三河湾沿岸の塩や木綿などを運ぶ重要な道でした。
地場の特産品を運ぶ拠点として栄えた西尾城下町の面影を探して歩きます。
東海道・吉田宿と御油宿の間の小坂井から分岐し、三河湾沿岸を通って平坂湊に至る約40kmが平坂街道。三河木綿や塩など地場の特産品を運ぶ重要な道であった。
西尾藩の藩港である平坂湊からは、三河各藩の年貢米や塩、木綿などが船で江戸に送られた。湊には米蔵が建ち並び運搬する人々で賑わったという。
また、三河の塩は矢作川を船で岡崎に運ばれた後、陸路に積み替えて中馬街道(くわしくはこちら)を通って山間部に運ばれた。太平洋側から長野方面に向かう「塩の道」の起点の一つは平坂街道沿い、三河南部の海岸地域であった。
1. 伊文神社(いぶんじんじゃ)
西尾城下の鬼門の方向にあたり、西尾城五か所門の一つ「天王門」の脇を固める神社。西尾の郷社で歴代西尾城主や町民の信望が厚かったそうです。静かな境内には野鳥のさえずりが響き渡っています。 |
2. 順海町通り(じゅんかいちょうどおり)
通りの両側にある寺の黒板塀が美しく、城下町の佇まいが残る小径。道沿いの寺「唯法寺(ゆいほうじ)」の僧・順海が通りを開いたことから、その名が付いたと伝えられます。江戸時代にタイムスリップしたかのような通りです。 |
3. 西尾市岩瀬文庫
明治41年、地元の豪商・岩瀬弥助が私財を投じて創設。8万冊以上の蔵書は重要文化財を含む貴重なもの。平成15年にリニューアル後は、蔵書の閲覧や常設・企画展示などを楽しめる「古書ミュージアム」として親しまれています。
開館時間:9:00~17:00(文庫資料の閲覧は16:00まで) |
4. 西尾市歴史公園
承久の乱(1221年)の戦功によって足利義氏が築城した西条城が始まりといわれる西尾城。江戸中期には大給松平氏が藩主となり、6万石の城下として栄えました。城の一部を復元した西尾市歴史公園は、本丸丑寅櫓(うしとらやぐら)、鍮石門(ちゅうじゃくもん)、西尾市資料館、日本式庭園の尚古荘(しょうこそう)、旧近衛邸(このえてい)などが整備され、緑豊かな園内は気持ちよく散策することができます。 |
平成7年に歴史公園づくりの一環として、かつて京都にあった江戸後期の書院と茶室を移築したもの。縁側から庭園を眺めながら抹茶(季節の和菓子付きで一服400円)をいただけます。
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5. みそぱーく
1861年創業の醸造元「はと屋」が運営する味噌醤油や発酵食品を楽しむテーマパーク。100年使われ続けている杉木桶で「日本一かたい」豆味噌が仕込まれている様子も見学(要予約)できます。味噌づくりの体験館、蔵売店、味噌料理・自然食ビュッフェなども併設されています。
問い合わせ・予約受付 |
ウォーキングをもっと楽しみたい方のために、“+α”のコースをご紹介します。
スタートを名鉄西尾線・西尾口駅から、名鉄六万石くるりんバス・道の駅にしお岡ノ山バス停(西尾駅または西尾口駅バス停から「東廻り線右まわり」乗車)にし、歩き始めると約5.2kmのコースが約8.5kmのコースになります。
地図中、青色の線と青のポイントで表示させています。
久麻久神社(くまくじんじゃ)
八ツ面山(やつおもてやま)の中腹にある古社。このあたりの中世の地名、吉良庄(きらのしょう)の由来となったのは、八ツ面山が雲母(うんも・きらら)の産地であったためです。入母屋造り(いりもやづくり)の本殿は1527年に造られたもので、国の重要文化財に指定されています。 連理の枝(れんりのえだ)▶ 境内にはシイの古木が生い茂り、神聖な雰囲気を醸し出しています。1本の木が他の木と連なって木目が通じ合っていることを連理といいます。祠の前にある連理の枝は、夫婦、男女の仲睦まじいことを表しているとされています。 |
八ツ面町の道標石仏
道端にポツンとお地蔵さんがあります。よく見ると石仏には「右にしを」と刻まれ、道標であることがわかります。花が供えられ、地元の人に大切にされている様子がわかります。 |