東海道40番目の宿場・鳴海宿と有松は、絞りの名産地として有名です。
江戸時代の面影を残す町並みを楽しみながら、絞りや祭りなど、古くから受け継がれる貴重な文化に触れるウォーキングを堪能できます。

東海道 鳴海・有松とは?

東海道五十三次、40番目の宿場が鳴海宿です。一方の有松は、尾張藩の命によって鳴海宿と池鯉鮒(ちりゅう)宿(知立市)の間に開かれた間宿(あいだのしゅく)でした。

有松といえば、江戸初期に人々の生業として導入された絞り染め。尾張藩の保護もあり、東海道随一の名産品として育ち、「有松絞り」「鳴海絞り」として生産や取引が大きく伸びました。町には重厚な造りの絞り問屋が軒を連ね、大層栄えました。

1. 鳴海宿高札場(こうさつば)

江戸時代、宿場の中央にあたる交差点北東角に大きな屋根付きの高札場がありました。現在は、70mほど離れた場所に再現され、宿場間の駄賃や人足賃を記した高札などが掲げられています。

2. 有松の町並み

竹田邸(市指定文化財)、服部邸(県指定文化財)など、重厚広壮な絞り問屋の形態を留める建築が今も残っています。宿場町の情緒を味わいながら、絞り製品の店などをのぞいて、ゆっくりと歩きたい町並みです。

3. 有松・鳴海絞会館

歴史的にも価値の高い作品・資料の展示や、絞りの実演、絞り体験実習などを通して、絞りがいかに手間暇のかかった匠の技であるかを実感できます。

■9:30~17:00(実演は16:30まで)
■大人300円 高校生以下100円
■4月~11月末まで無休(年末年始、6月第1週の絞りまつり前後3日間は休み)、
 12月~3月末までは水曜休(祝日の場合翌平日休)
■052-621-0111 http://www.shibori-kaikan.com/

▲有松絞りと名古屋友禅で作られた、名古屋城本丸御殿「竹林豹虎図」が展示されています

4. 有松山車(だし)会館

有松の町のもう一つの“宝”が、精巧なからくり人形を載せた3輌の山車(市有形民俗文化財)。豪奢な彫刻や手の込んだ刺繍が施された山車を、山車会館では毎年交替で1輌展示。山車まつりの様子を映像で楽しむこともできます。

■土日祝のみ開館 10:00~16:00
■大人200円 高校生100円 中学生以下無料
■052-621-3000


▲会館内に展示されている山車

野菜カフェ まめはな

有松・鳴海絞会館の1階にあるカフェ。野菜ソムリエが腕を振るう、個性豊かで野菜たっぷりのヘルシーランチ&スイーツが評判です。
第1・3日曜日は、店頭で「あいち野菜のマルシェ(市場)」も開催。

● 8:00~18:00
● 無休(12月~3月は水曜休)
● 052-621-3678 http://madam-alice.com/cafe/

ウォーキングをもっと楽しみたい方のために、“+α”のコースをご紹介します。

スタートの鳴海駅を地下鉄野並駅に変え、松尾芭蕉ゆかりの句碑を訪ね歩くと、オススメコース(約3.5km)に約3.4kmを加えた健脚コース(約6.9km)になります。

地図中、青色の線と青のポイントで表示させています。

千鳥塚

貞享4(1687)年、鳴海の六俳仙とともに「歌仙(連歌、俳諧の形式の一つ)」の『星崎の闇を見よとや啼く千鳥』の巻を完成させた記念に建てられた、松尾芭蕉直筆文字による翁塚(句碑)。日本最古で芭蕉存命中の唯一の翁塚であり、芭蕉と鳴海の深い絆が偲ばれます。周囲は千句塚公園として整備されています。高台のため遠くまで見渡すことができます。


▲緑豊かな千句塚公園

成海(なるみ)神社

朱鳥元(686)年創建。鳴海の氏神として「東宮さん」と呼ばれ、古くから崇められてきました。松尾芭蕉が成海神社祭礼に参詣の折に詠んだ句「初秋や海も青田の一みどり」の句碑(翁塚)が境内にあります。この区は名古屋市緑区の区名「みどり」の由来の一つとなっています。


▲松尾芭蕉の句碑

今までに掲載した「愛知県内ウォーキングコース」がご覧いただけます

※掲載内容は平成27年8月取材時のものです。